食べたものが脂肪として貯えられるまで
糖質の場合
◇食べる→
「ご飯、アルコール、麺などを食べる!」
ご飯やパン、麺などの主食、ビールなどのアルコールの主成分は糖質です。
この栄養素は、活動エネルギー源として真っ先に利用されたり、脳の栄養となるなど、私たちの体を動かすガソリンとして欠かせないものです。
◇消化吸収→
「酸素などの働きでブドウ糖として血中に」
唾液、胃液などに含まれる消化酵素によって細かく分解された糖質は、小腸壁表面にある酵素によってブドウ糖になります。
このブドウ糖は、小腸から吸収され、一部は細胞内のミトコンドリアでアセチルCoAという物質に変化。
そして、一部は中性脂肪の材料となるグリセロールに変化します。
「主にエネルギー源になる」
小腸から吸収され、アセチルCoAに変化したブドウ糖は、全身の細胞に運ばれ、その中のTCA回路(エネルギーを産生する組織)に取り込まれます。
そして、ここで燃やされ、私たちが活動するたものエネルギーになるわけです。
◇脂肪蓄積→
「直に脂肪細胞に取り込まれる」
直に脂肪細胞に取り込まれるのは、小腸から吸収されてグリセロールに変化した一部のブドウ糖。
これが体内の脂肪酸と結合して中性脂肪になります。
食べてからこの段階まで約1~2時間です。
また、上のTCA回路でアセチルCoAが余っても、脂肪酸に変化。
体内でグリセロールと結合して中性脂肪に再合成され、脂肪細胞に貯蓄されることになります。
脂質の場合
◇食べる→
「肉、魚の脂身やクリーム、植物からの油は脂質」
脂質というと、サラダオイルやオリーブオイルなどの食用油やバター、生クリームを思い浮かべがち。
でも、肉や魚などにも脂質は含まれています。これら脂質は1gで9kalと少量で高エネルギー。
体脂肪の主原料になります。
◇消化吸収→
「グリセロールと脂肪酸に分解される」
食物に含まれる脂質は、消化の段階で脂肪分分解酵素によってグリセロールと脂肪酸に分解、この2つは小腸から体内に吸収されます。
そのあと、2つは再合成され中性脂肪にり、リンパ管や血管を通って肝臓を経由したあと、血液中に流れ出し(血中脂肪)、筋肉や臓器など全身組織に行き渡ります。
「体内でエネルギーやホルモンの材料に」
血液に乗って全身に行き渡った中性脂肪は、TCA回路に入ってエネルギーとして燃やされたり、別の場所では、ホルモンの材料になるなど有効に活用されます。
◇脂肪蓄積
「余った中性脂肪は脂肪細胞へ」
エネルギー源になるなどして使われ、余った中性脂肪は脂肪細胞に取り込まれ、体脂肪となって蓄積されます。
ちなみに、糖質も脂質もエネルギーになりますが、使われる優先順位は糖質が先。
したがって、糖質も脂質も十分にとっていたとしたら…。
結果的に、脂質は余ってしまう。
つまり体脂肪になりやすいといえるのです。