夜9時以後の食事は太る? (Qa-d62)

夜9時を過ぎてから食べるとやっぱり太るの?

■夕食でとったエネルギーを消費しきれません。

昼間に比べ、夜の活動量は大幅ダウンします。
夜遅くに食べると太る。
こう言われる根拠はいろいろありますが、まず挙げられるのは、エネルギー消費の問題です。
夜遅くに食事をすれば、それだけ寝るまでの時間が短くなります。
つまり、食事をしてからの活動時間が短くなるわけで、夕食でとったエネルギーを消費する時間も短くなる…。
そうなると、夕食でとったエネルギーを消費しきれず、余ったエネルギーは脂肪としてして蓄えられてしまうのです。
夕食でとったエネルギーを少しでもたくさん消費するためにも、夕食は早めにとるのが正解というわけです。
それなら、夜遅く食べてもずっと起きてればいいと思うかもしれません。
確かに、食べてすぐ寝るよりも起きていたほうが、エネルギー消費は多くなります。
とはいえ、夜更かしをして消費されるエネルギーは微々たるもの。
眠いのを我慢して夜更かしをしても、あまり意味はありません。
そもそも、夜は昼間に比べると、活動量がグンと下がります。
昼間は、立ったり座ったり、歩いたり…と、特別な運動をしなくても、エネルギーは消費されるのです。

ところが、夜はどうでしょう。
座ってテレビを見たり本を読んだりする程度。
これでは、夕食でとったエネルギーはほとんど使われません。
夜勤の人も安心はできません。
例えば看護士でもナースステーションで待機している場合はほとんど体を動かすことはありませんから、いくら働いているといっても、夜はエネルギー消費が極端に少ないんです。
夜中に道路工事のような肉体労働をする人は例外ですが、そうでない人の場合、夜遅い食事は太る原因と考えておきましょう。

■消費ダウンは副交感神経に原因があったのです。

副交感神経は体を溜め込みモードにします。
夜遅くに食事をとると、その分のエネルギーを消費できない。
その理由は、夜の活動量が減るからというだけではありません。
たとえ、昼と同じ程度で活発に動いたとしても、昼間に比べると、消費エネルギーは少なくなってしまうのです。
それは、夜は副交感神経が優位になるからです。
昼間は交感神経が優位で、体は活動モードに切り替わります。
代謝も活発でエネルギーをどんどん消費します。
反対に、夜になると、副交感神経はリラックスをつかさどる神経。
この神経が優位になると、体は、お休みモードになり、消費エネルギーは抑えられてしまうのです。
こんなときに、ガツンとボリュームたっぷりの夕食を食べるとどうなるか…。
言うまでもなくエネルギーは余り、体脂肪になってしまいます。
夜9時を過ぎてから食べると太ると言われるのは、交感神経と副交感神経のスイッチが切り替わるのが、だいたいこの時間だからです。
いくら遅くまで起きていようが、夜遅くに食べると太りやすいとされる最大の理由は、実は、この副交感神経にあるのです。

■長い空腹時間は吸収効率を上げてしまう

飢餓の体はここぞとばかりに栄養を吸収します。
夜遅くに夕食をとるということは、昼食をとってから長い時間が経過しているということ。
当然、空腹時間も長く続いてることに…。
何時間も体に栄養を入れずに空腹が続くと、体は飢餓状態で危機感を感じます。
私たちの体には、ホメオスターシスといって、自分を守るシステムが備わっていますが、空腹時間が長く続いたあとドカ食いしやすいのは、このためです。
危機感を感じた体は、一気に栄養をとろうとするわけです。
私はドカ食いはしないから大丈夫。
そう思っている人も要注意!
飢餓状態が続くと、栄養の吸収率がよくなるんです。
これもホメオスターシス。
今度はいつ栄養が入ってくるかわからないから、ここぞとばかりに吸収しよう!となってしまう。
結果的に食べたものが脂肪として蓄えられやすくなるのです。
食事を抜くなんていうのはもってのほかです。それは、こうした体を守るシステムをフル稼働させるだけ!